北辰会の治療法2024.07.26

藤本蓮風代表の鍼の学術団体である北辰会では、中医学を基本に日本の伝統鍼灸術も加えて新しい鍼灸の理論と鍼術法を発展させている。
特徴は診断に時間をかけ、舌診、腹診、背候診、切診、問診を行い、弁証して、弁証をもとに、厳選したツボ１～３穴ほどで治療する。
私は東京での例会や、秋期研修会等に参加させて頂いておりました。そのご縁で「藤本漢祥院」を卒業された５名の先生が当院に勤務していただき北辰会の治療を学ばせて頂き感謝しております。
当院の鍼灸師には鍼灸家を目指すなら当院を足がかりに北辰会で、勉強することをすすめております。
（詳細は藤本蓮風氏の著書をお読みください）

【北辰会で学んだ治療例】

藤本代表が東京の会場に来場されて、胃の気の脈のご講義がありました。
胃の気の脈の言葉も初めて学ぶ浅学の私も脈診の基本と認識しました。

ある暑い日に７０才の男性が肘の打撲で来院す。夏なのに長ズボンにももひき、上衣も長袖です。

どうしたんですか冬支度ではありませんか。
　　実は２カ月前、耳が聞こえにくくなり、大学病院に行ったら、医者に右耳の中に棒のようなものを、ズンと差し込まれた。痛いと悲鳴を上げた、失神寸前だった。
　　先生は何でもないと言う、平然としていた。朝の１０時だった。
　　それから毎日１０時になると耳が痛くてたまらなくなって右手、掌で耳介を包み込むようにカバーしている。
　　それから手足も全身も寒くて困っているという。
　　約１時間続いて治まるが毎日の繰り返しです。

ちょっと脈を診させてくださいとイスに座ったまま脈診した。胃の気の脈が弱っている。
私、あなたを治してあげたいが鍼治療しますがと話しかけたら、　何でもいいから治してください。

ベッドに寝てもらい、右足三里に鍼をしました。
５分で脈診したら元気がでてきていましたので帰宅してもらいました。

翌日１０時に来院されました。
夏服、半ズボン。どうしました！
　　暑くて夏服に変えて来ました。
私もビックリ。耳はどうですか？
　　今朝から痛みません、正常になりました。
私も感動しました。
１本の針で病者を助けられて、蓮風先生や北辰会のスタッフの皆様にも感謝しています。